中規模機械商社営業部門
「上司と合わないから離職する」を防止する~昭和の時代のマネジメントが起こした集団連鎖離職~
開始前の解決したい課題
- 私たちの関わった中規模機械商社ではある営業所の7割に当たる7人が連鎖的に離職し、業務が回らなくなってしまいました。
- 我々コンサルタントが話を聞いてみると、営業所長が人の気持ちや考えを理解しようとしてなかったのが原因なのですが、本人はちっとも悪いとは思っていませんでした。「営業部門だから成果を挙げるべきだ。従業員が成果を挙げる力がない。指導してもできるようにならない部下が問題なのだ」と思っていたのです。
- メンバーも「分からなければ聞いてくれ」と言われるものの、聞きに行けば「2年も経ってまだこんなことが分からないのか?」とか叱られ、「意見があるなら言ってこい」と言いながらも、言えば「考えが甘い」と言われていたようです。聞いたら叱られるし、言っても叱られるし、何を言っても仕方がないという状態でした。
- そんなコミュニケーション不全の営業所長の基で人々は連鎖的に離職し、それぞれ別の会社へ転職をしてしまいました。
実施内容
- このケースの場合はコーチングとメンタリングをしました。営業所長1人の考え方を変えることで解決しました。
- 営業所長にとって集団連鎖の離職は心に大きな痛手を与えました。じつは、チームがうまく行っていないことの問題の原因は自分にあることが分かりながら、何をしていいかわからなかったのです。元の上司にやられたことをそのまま同じようにやっていたのです。昭和の時代のマネジメントでした。自分がやられたように、否定されても、叩かれても、メンバーは這い上がってくると思っていたのです。しかし、今の時代には受け入れられませんでした。
- 自分の発言や行動がメンバーにネガティブな感情を抱かせることを分かりながらも、「乗り越えるべきだ」と信じていたので、行動を変えることができないでいたのです。
- コーチとしてメンターとして「仲間から尊敬される魅力的なリーダーになる『ポジティブリーダーシップ塾』」の内容をメンタリングで伝え、行動変容を促しました。3か月程度でだいぶ良くなりましたが、時々、「昔の悪い癖」がでることがあり6ヵ月関わりました。
成果
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結果として、この営業所長も人の気持ちを理解できるようになり、ポジティブな態度が身に付き、良い関係性がつくれるようになりました。
その後、この営業所長は異動になりましたが、新たな部署ではいい関係をつくりながらリーダーシップを発揮しています。メンバーに関心を持ち、話をよく聞いてから、自分の意見を短く言う。自分から声を掛け、あえて雑談をする。ポジティブな感情を創り出すことを考え実施する。・・・など行動が変わったことにより、いい関係をつくることができ、成果を挙げられる上司に変容することができました。メンバーの離職もなく、日々、イキイキと頑張っています。