病院 看護・検査部門での離職防止
解決したい課題
- 離職率が高い。離職率が24.7%にまで高まった。
(看護師の全国平均離職率が11.9%なので2倍近くの離職率になっていた) - 時には人が足りなくなるため、超過務を依頼する必要があり、病院のオペレーションに支障が出ていた
なりたい姿
- 人が辞めない職場をつくりたい
- 人間関係をよりよくしたい。我が病院で働く誇りを持ってもらいたい
実施内容
ワークショップ
テーマ:『磁石のように人を引き付ける職場づくり』
職員の2/3が参加 半日×3回実施
- なぜ、この病院で働いているのか?/この病院のいいところは何か?/理想の病院ではどんな働き方が出来るのか?/磁石のように従業員を引き付ける職場をつくるために何をしたらいいのか?などの問いかけを作り、対話の場を設けて看護師・検査技師全員で対話した
- 職場の全員でやることを合意し、実行した
- 我々はどのような行動をとったらいい関係ができるのか?を話し合い、個人個人の約束事を宣言した。一人ひとりが自ら考え、お互いを思いやりや共感を示すためにできることをきめた
コンサルティング
- 働く職場環境の整備のコンサルを実施
- 看護師の声を拾い、重要度を決め、実現できることから実施した
- 休暇制度/フレックスタイムの運用条件拡大/シフトの見直しなどができた
- 休憩時間を確実にとる習慣づけや、休暇の積極的取得などを促進した
- コンサルの結果、人間力豊かさが求められることが分かった
- 「仕事ができて、思いやりのある魅力的な人」を目指した研修をおこなった
- 成長実感を持つことが離職を防止するとの仮説をもち、看護や検査の専門教育だけでなく、「仕事ができて、思いやりのある魅力的な人」を目指した教育を実施した。(半日×3回)
- 豊かなマインドを持つ人が増え、成長実感が持てるようになった
- 魅力的になりたい人がふえ、自分の仕事だけなく思いやりをもって協力するひとに変わった人が多くみられた
- 一部にコーチングとメンタリングを実施
- 特に離職の多いチームがあったので、数人のリーダー格の方に個別にメンタリングを実施した。特に、仲間への関心と配慮を持ってもらうのが目的だった
- 「業務をしっかりこなしていれば問題ないでしょう」という考えを持った人が、「周りの人と協力してやっていくことが自分のストレス軽減にもなる」ことを分かってもらえた
起きた変化
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- 社員の一体感が向上、自分の役割を超えてお互いが知恵を出すようになった
- 人間関係の向上:お互いが感謝し、助け合い、話を良く聴き、お互いをケアするようになった
- お互いの信頼が増し、業務以外のコミュニケーションが増えた。職員に笑顔が増えた
具体的な変化
- 1年半後の計測では、年間離職率が24.7%から7.8%まで低下した
- お互いに話し合い、みんなで話し合って問題解決をするようになった
- 必要な情報を的確に周りに伝えられるようになった
- 安全ができる体制の整備の必要性が認識され、行動が始まった