■一人ひとりが能力を発揮し、売上・利益を拡大する 組織づくりができた

一人ひとりが能力を発揮し、売上・利益を拡大する
組織づくりができた

ある関西の建築関係の会社の事例です。この会社ではビルやショッピングセンターの天井や壁などの内装を手掛けています。この会社では、AIワークショップや研修を使った組織開発を実施して、売上・利益がこれまでよりも大幅に拡大するという成果が出ています。

この企業の課題はチーム力や組織力

この企業では、個々のメンバーの能力があるが、チーム力や組織力になっていないことが課題でした。

その会社の社長をはじめ、役員は、売上をもっと伸ばしたいと考えていました。そのためのもっとみんなの力を引き出したかったのです。従業員に現状を乗り越えるための考えや提案を出してほしかったのです。

従業員たちは、自分の役割を一生懸命こなしていました。自分のことや自分の部門のことに関しては、責任もってしっかりとやっていました。個人としての力もありました。しかし、組織の力が十分に発揮されていませんでした。一人ひとりが頑張っているのですが、チームとして知恵を出すことが少なく、担当の仕事を一生懸命やっていたのです。それぞれの部門も独立で仕事をし、他部門との連携も十分ではありませんでした。

ポジティブ組織づくりのワークショップと研修が始まる事例建設関連企業

そこで、役職者だけでなく一般社員も含めて、社員を対象に、AIによる「ポジティブ組織づくりのワークショップ」や「ポジティブ組織づくり」のための研修をシリーズで実施しました。

まず、全社のキーメンバーが集まり、自分
の「強み」を周りから指摘してもらったり、お互いの「強み」や「いいところ」を伝えあったりしながら、人間関係を良くしていきました。また、自分たちの会社の「強み」や、会社を構成する社員の「強み」、さらに、自分たちが成長してきた「強み」をお互いが認識しました。これらのワークショップの結果、部門を超えて従業員同士の関係が良くなり、自分たちの会社の良さを再認識することができました。ワークショップの成果です。

また、いい会社を作るにはポジティブな組織文化が必要なことも研修で分かってきました。そんなワークショップや研修を月に一度4回にわたって実施してきました。

一般社員まで含めて会社の戦略を作る

さらに、5回目のワークショップから、組織全体で、戦略策定のワークショップを行いました。営業担当者、工務部の現場監督、資材調達部門の責任者、総務部の女性社員。みんなが集まってこの会社をより発展させるために何をしたらもっといい会社、強い会社になれるのかという視点で、今後とるべき戦略を考えました。今までは、役員が考えて通達していた、中期計画や戦略をみんなで考えるようにしたのです。

その結果、一人ひとりの意識に大きな変化がありました。

それまでは、誰もが会社の戦略は経営者が考えて決めるものだと思っていました。一般の社員は誰も戦略を考えたことはありませんでした。それが、みんなで戦略を作るようにかわったのです。工事の現場を仕切ってきた監督や営業の担当者にとっては初めての経験です。戸惑いもありましたが、やってみました。

建設関連会社での事例

やってみると各人の現場で培った経験からの発想でいくつかの戦略が出てきました。

自分たち一人一人がこの会社を作り上げることができるのだ。自分の会社をいい会社にするために自分たちが考えればいいのだ。そんな考えが組織の中に浸透してきます。

もちろん、経営の視点もかかせません。みんなで作った戦略を採用するか、しないかは経営者の判断です。そんなプロセスを通して、みんなで作ったいくつかの提案が現実に年度の戦略として、採用されました。長期の方向性についてもみんなで作り上げた方向性が尊重されました。

みんなで作った戦略ですから、一丸となり、実施できます。その戦略に基づき、自分たちができることを現場でさらに考え、実現していったのです。

営業メンバーの行動に大きな変化が……

例をあげると、営業面でも大きな変化がありました。

これまで営業担当者は限定された営業先に訪問しており、そこで安定した仕事が取れているから、それでいいと思っていたのです。

AIのワークショップをしている中で、我々の実績や提案できる商品を見ると、「もっとほかの会社にも提案できるよね」と仲間からの話しができました。これが刺激になりました。ワークショップが終わってからも、営業メンバーだけでなく、商品調達メンバー、工務部のメンバーたちが集い、一緒になって新規顧客開拓のための提案を考えました。部門をまたいでの知恵だしは、今までにない動きです。新たな顧客にどんな提案ができるかを検討していったのです。

その結果、営業部門の動きが変わりました。「今の顧客だけでなく、他にもショッピングモールや大型店舗があるよね。そこにももっと積極的に紹介していこうよ」と話し合い、行動を始めたのです。

営業担当者は調達部門や工務部門からたくさんのアドバイスをもらいました。と同時に、他部門のメンバーからの大きな期待を受け取ったのです。

「みんなのためにもこの商談が取れたらいいな。みんな喜ぶよな。全力で頑張ろう」そんな思いが営業担当者の胸に湧き上がってきます。上司の指導も積極的に受けました。上司もその営業担当者の成長のために動いてくれました。その結果、大きなモールや大型店舗で大型受注を獲得することができたのです。

このような活動で、営業面では、売上・利益ともに年々増加の一途をたどり、コンサルティングを行う前は約5,000万円~6,000万円だった営業利益が、3億円~5億円へと増加。売上も利益も大幅に伸ばすことができたのです。

営業以外にも様々な方面での変化を作り出した

他にも、商品調達ルートの見直しがされ、毎年、数千万円のコスト削減ができるようになりました。自社の強みを生かした新たな商品開発のアイデアが出てきました。

環境に優しく、人に安全な材料を使う商品です。大震災で天井が落ち、人の命を奪ったりしてことはみんな忘れません。そんな背景もあり、商品を使った営業が大成功。大きな商業施設の受注も増えました。

さらに、それまで外注で作っていた商品の一部を、自社工場をつくって自分たちの力で作るようにまでなったのです。

みんなの一人ひとりが努力をしたためです。

一人ひとりの良さを認め、会社のすごさを再認識し、みんなで未来の戦略を描き、部門を超えて知恵を出し、お互いの期待を感じながら全員が努力をする。そんな従業員一人ひとりの行動が、大幅な利益向上につながったのです。利益の上がる強い会社づくりをすることができたのです。

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