仲間と良好な関係を作り上げるイキイキ職場づくり
ライフ労働組合
株式会社ライフコーポレーションは関西地区と関東地区に集中して出店しているスーパーマーケットです。スーパーマーケットにおける売上規模は、イオングループ、セブン&アイグループ、ユニーグループホールディングに次いで全国で4番目。ローソンやファミリーマートより大きく、流通業の大手です。食品を中心にしたスーパーマーケットを中心に事業展開をしています。
このライフでは労働組合の主催で、従業員全員を対象にした3時間のAIのワークショップを、改装する店や新店ができるたびに行っています
改装と新店が全員集まれるチャンス
ライフのスーパーマーケットでは、お店で働いている人の多くはアルバイトさんやパートさんです。それぞれ決まった時間帯で働いています。時間に来て時間に帰り、時間中は決められた業務で多忙です。お弁当を作ったり、お刺身を作ったり、商品を並べたり、いろいろな作業があります。今までは、その多忙さの中で、自部門の人とのコミュニケーションも表面的になり、他部門の人たちと話をしたりする機会は多くありありませんでした。
その状況をなんとかしたい。労働組合が立ち上がりました。
人間関係の良い職場ではコミュニケーションのミスによるトラブルも少なくなる。そして定着率も良くなる。そんな課題を達成したかったのす。
お店を改装するときや、新店開店のときは、店の全員が一堂に集まれます。そんなチャンスを狙って、店長はじめ全員が参加するAIのワークショップが行われています。参加者は1店舗で50名~180名ぐらい。店の規模によってさまざまでが、結構、大規模なワークショップになります。
お互いに認め合い、仲間との関係性を良くする
改装店のワークショップテーマは「イキイキとした職場づくり」。
自分のポジティブな面を知り、仲間との関係性を良くする。その結果、お互いが思いやり、感謝し合い、支援し合う職場づくりができるように、3時間のワークショップが組み立てられました。
改装店プログラムは「他部門を深めた人間関係づくり」を目標にしたプログラム。「あなたがお客様や仲間に喜んでもらえたときの物語を話してください」という設定で体験物語を話してもらいます。その体験を周りの人が聞いて、その人の良いところを付箋に書いて伝えます。働くのが楽しくなる職場をつくるためにみんなで話し合います。
いつも話が十分にできない仲間からもフィードバックを受けて、「自分が一生懸命にやっていることをわかって貰えているんだ。自分もしっかり仕事ができているんだ。」と再認識することができるのです。そんなワークを通じてちょっぴり自信を持ち、周りの人との関係性を深めます。
その上で、自分のなりたい姿を自画像に描き、その自画像を紹介しながら、自分の「強み」を活かして、仲間やお店に貢献するために何をするかを宣言して終わります。
新店では人間関係づくりの原則に気づき、部門の結束を固める
また、ライフでは新しいお店を急ピッチで作っています。新店で行うのは別のプログラムです。
新店のテーマは「仲間との良い人間関係のできる職場づくり」
「部門の結束を固める」ことを目的にプログラムをつくってあります。
「あなたが仲間や家族と良い関係をつくり、イキイキと何かをすることができたときのことを物語で話してください」と言って、一人ひとりに話してもらいます。そんな話の中から良い人間関係ができるための成功要因を見つけ出すのです。
その成功要因をもとに、人間関係がよくなるためのキーワードを探し出します。
- 「おもいやり」
- 「笑顔」
- 「真剣に取り組む」
- 「絆」
- 「責任感」
- 「チームワーク」
これの言葉からつくりたい職場をコラージュで表現します。みんながこんなイキイキとした職場を作りたいと思うようなデザインができあってきます。みんなの共通目標です。みんなで作り、みんなで合意した職場のイメージをコラージュにするのです。水産部門・畜産部門・レジなど、職場ごとにみんなのつくりたい姿が出現します。
そこには、良い人間関係をつくるキーワードがたくさん書かれています。これからの職場を作るために大事な言葉です。
そんないい関係でいられる職場を作るために一人ひとりが何をするかを決め、これから一緒には働く仲間に宣言してワークショップを終っていきます。
店をオープンし、新しい職場ができると、みんなで作り上げた自画像や、コラージュが20も30もバックヤードに並びます。みんなで作りたい職場のイメージが並んでいるのです。出勤するとき、休む時に見て、新たな思いをして、仕事に取り掛かります。
このようなワークショップを実施した結果、効果について、改装をした中野駅前店の佐々木年男店長に話を聞くと、次の4点を教えてくれました。
- 改装オープンの目標に向かって一丸となれた、
- 他人に関心を持つ人が多くなった、
- 新しく入ってくる仲間の悪いところ探しがなくなった、
- 離職者が少なくなった、
ワークショップでの話や、作品が、働いてくれているパートナーさん、アルバイトさんの心の中に、深く刻み込まれているようです。