エイジダイバーシティ研修 〜組織開発の視点でつくる 世代の違いを強みに変える職場〜

今回ご依頼いただいた製造業のクライアント様では、20代前半から60代後半まで幅広い世代が同じ現場で働いています。経験値や技術力の高いベテラン社員と、新しい発想やデジタル感覚を持つ若手社員が共に成果を出すためには、互いの価値観を理解し合うことが不可欠です。しかし、日々の業務に追われ、ゆっくり対話をする機会は限られていました。
解決したい課題
- 世代間の価値観や働き方の違いから、仕事の進め方や優先順位に対する認識が食い違っている
- ベテランと若手の間に心理的な壁があり、作業中でも気軽に声を掛けづらく、相談や連携が滞る
- 役割や立場による一方的な関係性が残り、若手は提案しにくく、ベテランは指示型に偏りがち
- 年齢や立場の違いが、改善提案やノウハウ共有などチーム全体での協働を阻んでいる
なりたい姿
- 世代を問わず、互いの強みや価値観を理解し合い、協力できる関係を築きたい
- 意見交換が活発になり、年齢に関係なく提案や改善案が受け入れられる文化を根付かせたい
- ベテランの経験と若手の新しい視点が融合し、現場の生産性と士気を向上させたい
実施内容
テーマ:『エイジダイバーシティ研修〜組織開発の視点でつくる 世代の違いを強みに変える職場〜』
- 日数:4時間ワークショップ(対面)+希望者への個別フォロー(面談または少人数対話)
- 形式・対象:対面開催(40名規模)/20代前半〜60代後半の正社員・非正規社員。製造・品質・保全・間接部門など、職種・世代を超えて参加。
特徴:フィンランド式ファシリテーション®として実施
- 「Me-We-Us」の流れで、全員が発言しやすい場を設計
- 「バスストップ」「Idealogue」など、多様な意見を引き出し整理する対話ツールを活用
- 世代の違いを否定せず、強みとして活かすための合意形成を促進
内容(一部抜粋):
- 組織開発とは何か
- 社会構成主義の視点で「価値観は作られる」ことを理解
- 【対話】私たちの考える年代別文化の違い(50代以上 vs 20〜30代中心)
- 【参考情報】ゆとり世代・Z世代の特徴(一部紹介)
- 【対話】文化を乗り越えて協力し合える方法を探る
- 職種・チーム別に実施事項を宣言

成果
▷ Before/After:職場の空気がこう変わった
Before(研修前)
- 世代間の会話が必要最小限
- お互いの価値観に対する固定観念が強く、歩み寄りが少ない
- 若手は意見を控え、ベテランは「教える側」に偏りがち
After(研修後)
- 世代を越えて雑談や相談が増え、仕事以外の話題も盛り上がる
- 「違うからこそ強みになる」という発想が広まり、役割分担が明確化
- 若手からの提案にベテランが耳を傾ける場面が増えた

まとめと今後の展望
今回のワークショップをきっかけに、現場では月1回の「多世代交流ミーティング」が始まりました。単なる情報共有ではなく、お互いの近況や課題感を話し合い、協力のアイデアを出す場として活用されています。エイジダイバーシティは一度の研修で完結するものではありませんが、「対話」から始める文化づくりは世代を越えた協働への第一歩となります。